薪ストーブのある生活#9|薪ストーブの湿度問題に頭を悩ませる

おうちのこと

皆さんこんにちは。夫です。

新型コロナウイルス感染拡大に振り回されているうちに、気づけば前回投稿から2ヶ月経ってました。書きたいことはそれなりにあるのですが、なかなか思うように時間が取れない毎日ですね。やっと多少落ち着いて、ようやく筆が進みそうです。

1月に首都圏を中心とした一部都府県に緊急事態宣言が発令されましたが、皆さんの生活はいかがでしょうか?外出自粛には良くも悪くも慣れた、という声をよく聞きますが、もう少しの辛抱というところですかね。

我が家といえば、緊急事態宣言発令後からお馴染みとなった在宅勤務もリスタートしたのですが、殊の外冷え込むこの冬に、オフィスであれば悩むことのない室温調節に苛まれています。皆さんの中にもそういう方がいらっしゃるのでは?

僕のいない平日は基本、薪の消費を抑えるためにエアコンや灯油ストーブで凌ぐことが多かったようですが、凍えた部屋では仕事も捗らん、ということで、在宅勤務時には薪ストーブを焚くことが多くなりました。

嫁からすればきっと在宅だけにゼイタクだという話なのでしょうが、かじかむ手でキーボード打つのも何だか虚しいですしね。結局薪の残量も考慮しないままフル稼働することになった薪ストーブの思わぬ弊害のお話。

ある冬の日、肌の乾燥を実感する

そろそろアラフォーと呼ばれてもおかしくない年齢に突入した僕ですが、何を隠そう、十数年来無印良品の化粧水と乳液を愛用していて、年齢の割に肌は若々しいと自負しております。リーズナブルなのに肌馴染みが良く、コスパが高いので使い惜しむ必要がないのが一番のメリットですよね。
※これは美容女子のブログではありません

入浴後と起床後、1日2回は欠かさず使っている訳ですが、12月のある夜、妙に頬が張りつくなぁと気になる日がありました。常に引っ張られている感覚ですね。数日前を遡っても食生活が乱れているわけでもなければ夜更かしが祟ったわけでもなく、、、
※これは美容女子のブログではありません(2回目

我が家には温湿度計一体型のデジタル時計があるのですが、それが指し示す湿度はなんと25%!湿度表示にはそれなりに気を配っていたのですが、さすがに季節が変わってからも30%を下回ることはあまりなく、何より肌の感覚で乾燥に気づかされたことは初めてだったので大変大きな衝撃を受けたのです。

それまでの加湿対策を振り返る

薪ストーブを本格稼働する前から冬場の乾燥は課題に感じていて、負担のない範囲内で色々と対策は講じていました。ありきたりなものばかりですが、以下リストアップしてみます。

①洗濯物を室内干しに

毎日当たり前のように実施できて特にストレスでもないのがこれ。特に我が家は毎日汚しては着替えるを幾度となく繰り返す小さな娘が2人いるので、洗濯機を回すのは毎日のこと。物量も十分確保できます。

まぁ唯一のネックと言えば、バスタオルがゴワゴワになることですかね。。そして効果のほどを実感したことはありません。

②加湿空気清浄機のフル稼働

ほとんどの家庭に設置されているのがもはや当たり前のように感じていますが、我が家も他聞に漏れずフル活用済み。とはいえ引越し前のマンション時代から使っているものなので、今のリビング・ダイニング(&吹き抜け)のサイズを考えると些かアンダースペックかな、と。

ちなみに我が家の加湿空気清浄機はダイキンのMCK70シリーズ(年式はずいぶん古いですが)。空気清浄機単独では31畳ですが、加湿機能としての最大適用床面積は11畳、タンク容量は3.6Lです。これが薪ストーブ本格稼働時だと1日足らずで空になるレベル。にもかかわらず効果のほどを実感したことがないのは右に同じです。

ちなみに引っ越してきてから、空気清浄機内の加湿機構に付着するカルキの量が異常に増えました。カルキの正体は水に含まれるミネラル分、主に炭酸カルシウムらしい。気になって那須塩原市の上水道の成分を調べてみたものの平均値でしかない。カルシウム含量に至っては、引っ越す前のさいたま市の方が多いみたい。あまりに湿度が低く、水が蒸発していくスピードが早すぎるのではないか、と勝手に推測しています。

③薪ストーブトップのグリドルにスチーマーを設置

薪ストーブで失った空気中の水分は薪ストーブで補うのがあるべき姿だろう、そう思い立ち、乾燥を自覚してからは3つあるグリドルの2つに常時水を張った鍋を置いていました。片方は3Lのル・クルーゼ、もう片方には5Lほどのステンレス鍋。このツインスチーマーシステムで蒸発していく水分量は凄まじいもので、薪当番している休日の僕調べでは、1日中の薪ストーブ稼働で合計15リットルを下らない気がします。空焚きしないよう監視するストレスや都度都度鍋に注水する面倒さはあるものの、シンプルな加湿という意味でこれに勝るものはないでしょうね。

ただネックが一つ。加湿性能を上げるべく蓋をせずフルオープンで加熱すると、加湿空気清浄機同様であまりの蒸発スピードに鍋縁に異常な量のカルキが付着します。見栄えもさることながら鍋に酷使している様がどうも気になってつい躊躇ってしまいます。カルキが付着し続けた鍋をその後調理に使うのもあまり乗り気になれず。。

④しまいには濡れタオル対策にすがりつく

加湿空気清浄機と薪ストーブのツインスチーマーシステム、計18L/日の加湿(水分蒸発)、それでもまだ肌の乾燥が気になるお年頃室内環境に半ば自暴自棄になった僕は、とうとう濡れタオル干しという暴挙に出ます。薪ストーブ周囲を囲むハースゲートの数ヶ所に、ぐっしょり濡れたバスタオルにかけるといういかにも原始的な対策。

バスタオルから滴るというより垂れる水が土間を濡らし、タイルは雨上がりのアスファルトのように泥々に汚れるのですが、あの頃は肌のことばかり気にしていたんでしょうね、とにかく加湿を、と狂っていたようです。

当然タオルからの気化は早く、ものの1時間ほどでバスタオルはカラカラに乾いてはいくのですが、3枚のバスタオル程度では湿度計が示す湿度に大きな変化はなく、むしろたびたび濡らさなければいけないバスタオルの管理も億劫になり、最後はバスタオルの先端を水を張ったバケツに浸したりして。

ふと気づくと、薪ストーブというログハウスに抜群の景観をもたらす必需品に載っかる鍋2つ、周りには薄汚れたバスタオルが幾つもかかり、土間にはいくつもの茶色いシミ。泥に塗れたバケツまでそこら辺に放置されていて、我が家の土間は当時描いていたオシャレさのかけらもない、見るに堪えない空間に。さすがに悪手に悪手を重ね続けている自覚も芽生えて、一度すべてリセットして、イチから薪ストーブと湿度との付き合い方を考え直そうと思い至りました。

湿度とは何なのか

哲学的な小見出しになっちゃいましたが、結局湿度計が表示する湿度って何なんだろうか、と。我が家の温湿度計一体型デジタル時計は、玄関ドアの少し上にあたる壁に掛けてあります。若干距離が空いて薪ストーブがある位置。1F天井とほぼ同じ高さにあるので、この湿度計のポジショニングだけを捉えると、比較的乾燥しやすい環境であることは否めません。

当の、肌の乾燥を気にする僕は、リビングやダニングでくつろいでいることが大半なので、湿度計とは全く異なる高さや場所にいる訳ですね。

僕の肌の乾燥を推定するものは僕の肌の近くにはない。ただ空間としての湿度計測としてはベストポジション。。

そう思うと、家全体の空間を加湿しようとするから限界がある訳であって、家族が過ごす特定の空間を狙って加湿すれば良いのではないか、発想を転換したのです。

正気に戻った僕の加湿方法とは

湿度という数字ばかりに囚われていた僕を正気に戻したのは、薪ストーブ周りのみっともない姿でした。どうせ加湿するなら過ごしやすさ、快適さを重視しよう、そう思うとやはり見栄えが大事。そこでいくつか新たな方策を講じました。

①薪ストーブグリドルには銅ケトルを導入した

ル・クルーゼも良かったのですが、やはりただのスチーマーとして用いる抵抗もあったので、嫁ともああでもこうでも言い合って、湯沸かし用にオシャレなケトルを導入することにしました。

悩んだのは材質。見た目重視だったので、ホーロー製か銅製、、銅製だと当然薪ストーブユーザーやキャンパー御用達のグランマコッパーケトルがありますが、たかだかヤカンごときに数万円を投資する経済的余裕はありません。

ホーロー製にはリーズナブルでキュートな富士ホーローのケトルもありましたが、いかんせん取り回しの重さやデリケートさがネックになり、最終的に我が家で購入したのはAmazonで見つけた手頃なタケコシ製の銅ケトル。

なかなか見た目も悪くないでしょ?これで1万円を切る価格ですから、なんだか得した気分です。2.5Lとヤカンにしては大容量なので補水頻度も低く済みます。加湿だけのことを考えると、蓋もフルオープンでできる限り蒸発させた方が効率的だと思いますが、今はあえて蓋をして、注ぎ口から出る湯気だけで加湿しています。

本質とは逸れるのですが、副次的なメリットが1つ。銅製ケトルには除菌作用があるとか水道市の塩素を分解するとか言われていて、これで沸かす水は美味しくなるらしい。真偽の定かさは置いておいて、これにきっかけを得た僕たち夫婦は、この冬白湯を飲むことが非常に多くなりました。薪ストーブの加湿対策の結果、内面から身体を潤す結果へつながったということですね。家ではハイボールとビール以外の水分をほとんど摂らなかった僕も、最近では1日1.0~1.5Lほどの白湯を飲んでいます。

②自然気化式エコ加湿器をダイニングテーブルに設置した

加湿という意味では、限定した対策で十分ではないかと考え、今ダイニングテーブルにはニトリで購入した陶器製の加湿器を置いています。コップに汲んだ水をそのまま放置するのと比べると10倍以上の気化率だという売り文句に、まぁあってもいいかなと安易にお持ち帰り。効果のほどは実感しませんが、こういう小物を各所にいくつか飾ってあるのもインテリアデザインとしてまったく違和感はないかな、と思っています。

どうしてもこのようなエコ加湿器はサイズ感が小さいものが多いのですが、色々と漁っているととんでもないものを見つけました。

ミクニのミスティツリー。こやつペーパー製のエコ加湿器なのに高さ70cmと観葉植物レベルのサイズを有し、タンク容量は1.5L、なんと1時間に0.1Lも加湿するとのこと。こんなものがある家っておもしろいなぁとめちゃくちゃ惹かれたのですが、本体もさることながら緑を模した交換式フィルターもそこそこ高価で、ランニングコストもそれなりであることがわかり、二の足を踏んじゃいました。

ニトリにもペーパー式のエコ加湿器もバリエーション豊富に用意されていたので、これからいくつか導入していいかと考えています。

③湿度計の数値を気にしないようにした

どうしても家全体の湿度を上げようとすると、その指標となる湿度計の数値に振り回されてしまうんですよね。ところが前述の通り、僕たち家族は湿度計を囲んで過ごしているわけでもなし。

極論、湿度計が10%でも肌の乾燥が気にならなきゃいいんですよ。だって肌以外で乾燥を強く自覚した経験はないんですから。

それからはあくまでも目安の一つとして、たまーにチラ見するくらいになりました。この間久々にちょっと目を向けるとなんと21%。もうその頃は前人未到の10%台に到達する野望さえ芽生えて、何だかやっと普通の人に戻れた気さえしています。

④乾燥した空間を逆手に取る

本筋から逸れてしまいますが、この冬最もハマっているのは燻製。家飲みのツマミにクオリティを求めるようになり行き着いた先が燻製でした。週末の昼過ぎに準備して夕方からはありつける手軽さ。チーズやナッツなど簡単なものからスタートして今ではささ身やら砂肝やら魚介やら。

燻製の細かな話はいずれまた、ということですが、クセのない、燻煙特有の酸っぱさを感じない燻製をつくるのに一番大事なのは食材の脱水なんですね。そのため燻製ヤーたちは冷蔵庫で乾燥したり冬場はベランダに吊り下げたり、業務用の脱水シートを準備したり。

その点冬の我が家はしっかり乾燥しているので、燻製の下拵えには最適なんです。ものの一晩、二晩ほどでカリカリに脱水できる。おかげで燻製づくりが楽しみで、もはや趣味を超えてきています。

他にもドライフルーツづくりにチャレンジしてたり、バカとハサミと一緒で乾燥環境も使いようってことですね。

それでも薪ストーブは暖かい

薪ストーブユーザーとして初めて迎えた丸々1シーズン分の冬は、僕たちに様々なものをもたらしました。おおよその消費量の予測もできるようになり、初冬には大量に保管されている(と思っていた)薪に万全の安心感を覚え、次第に日に日に薪がなくなっていく不安に苛まれ、そして過乾燥に悩まされ。。

薪ストーブとのコミュニケーションにこれだけ振り回されていても、薪ストーブは手放せないのです。だって本当に暖かい。薪不足で他暖房と併用している今こそ殊更そう感じます。

こうして湿度問題とも向き合って、また薪ストーブとの仲が一層深まったように感じます。あとは慢性的な薪不足さえ解消できれば言うことなしなんですが。。

それではまた。

コメント

タイトルとURLをコピーしました